とある日の練習会、アシスタント・ケンちゃんのカラーモデルとして協力してくれたNちゃんです。
~Before~
・元々かなりのハイトーンだったのを3ヶ月前に黒染め。
・同時期に縮毛矯正をかけている。
~Nちゃんの要望~
・今よりも明るくしたい。
出ました、美容師泣かせ(苦笑)。
黒染めした髪をまた明るくするのは簡単な事ではありません。そして、縮毛矯正がかかってる髪を明るくするのも簡単な事ではありません。
そう、難しい状況が2つ重なっています。1つでも難易度高いのに、2つになると2倍ではなく2乗ですね。
~注意すべき点~
・中間から毛先が明るくなってるように見えますが、元々はもっと明るかったとの事で、黒染めの色素がまだまだ充分残ってると推測できます。(正直、美容師的にはこの中間から毛先の明るさくらいに根元付近を明るく、地毛より少し明るいくらいの仕上がりで済ませたかったりします。ですが今回は練習モデルさんなので、バッチリ勉強させてもらいます!)
・縮毛矯正のかかっている部分と、新しく伸びてきた部分では同じ薬剤でも明るくなる速度、力が異なります。一発塗りをするとまず間違いなく新しく伸びてきた部分が明るくなりすぎ、マダラな仕上がりになるので、塗布する手順、使用する薬剤を念入りに考えないといけません。
・黒染めと縮毛矯正の時期が近いのですが、(今回は3ヶ月前という事で根元から4cmくらいでしょうか)、黒染めに関してはそこから更に数ヶ月前に明るくしたのを黒くしているので、黒染めの境い目を見分けるのが難しい。→マダラになりやすい。
・表面や毛先などダメージがある部分は少し褪色しているが、前髪や内側の中間までの部分などは褪色していない。→残留色素の量に違いがある。
・縮毛矯正がかかってる部分に寒色系(アッシュやオリーブなど)の色味を乗せると、暗く沈んで見えてしまうので、暖色系の仕上がりにする。
ざっとこういった点でしょうか。
~手順~
黒染め部分に脱染剤(脱色剤ではありません。黒染めの色素を退かす薬剤)を塗布、以前のハイトーンの状態に戻す。
↓
ハイトーンの状態に戻るのを見越して、新しく生えてきた部分にトーンアップ系の薬剤を塗布、全体的に明るい状態にする。
↓
一度シャンプーをしてから、全体的に暖色系の色素を乗せる。
お~、手順にするとシンプルに見えるんだけどな(笑)。
実際は非常にデリケートな施術です。
で、仕上がりがコチラです。
~After~
暖かみのある、柔らかい質感になりNちゃんも喜んでくれました!
美容師的には反省点も多々あるのですが、今回の実践トレーニングを経験としてケンちゃんには今後に活かしてもらいたいと思います。彼も多くの事を学べたことでしょう。
僕的には、やはり先々のリスクも踏まえてお客様に提案をしないといけないなと改めて思いました。
黒染めなんかは特に次回以降の施術に大きく影響を及ぼしますので。
最後まで完読ありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿